資格の内容

ME機器やシステムの安全管理を中心とした医用生体工学に関する知識をもち、
適切な指導のもとで、それを実際に医療に応用しうる資質を検定することを目的
とした試験。

受験資格

1級:2級ME技術実力検定を取得、または臨床工学技士を取得している者。
2級:制限なし。

試験内容

【第2種ME技術実力検定試験】
Ⅰ.基礎的知識
1)医学的知識
  循環,呼吸,脳神経,代謝,運動,感覚,内分泌などの解剖や生理に関する
基礎的知識
2)理工学的知識
  直流・交流回路,増幅器の特性(増幅度,時定数,周波数特性,弁別比,
S/Nなどの基礎)やフィルタ回路などの電気・電子回路の基礎。流体力学,
粘弾性,化学式,熱力学の基礎的事項やコンピュータに関する初歩的知識など
3)MEの基礎的知識
  生体の物理的特性(電気,力,温熱,音響,光,放射線など)と生体計測に
関する単位や定数,基礎的事項。生体に起因する電気,圧力,変位,振動,流速,
流量,温度,化学成分および光,放射線などを含む変換素子の特性や原理など
Ⅱ.実際的知識
  心電計,モニタ,血圧計,血流計,パルスオキシメータ,脳波計,超音波診断
装置,CT,MRI,超音波ネブライザ,麻酔器,電気メス,レーザメス,除細
動器,人工呼吸器,血液浄化装置,体外循環装置,ペースメーカなどの機器・
システムついての知識
1)原理,構造に関する知識
  機器・システムの原理・構造・性能(JISを含む)など
2)操作,運用に関する知識
  操作法,校正法および滅菌,保管手段などの知識
3)保守,点検に関する知識
  漏れ電流,接地抵抗,絶縁抵抗などの安全点検および機器の機能点検。
主要な故障診断法とそれにともなう測定器の使用法など
4)安全性・信頼性に関する知識
  ミクロショックやマクロショックなどの電撃についての対策(接地,EPR
システムなど)に関する事項。爆発,火災,熱傷,機械的破壊などの物理的化学的
エネルギーに対する対策。電磁波障害(EMC)。信頼性(MTBF,FTAなど)
【第1種ME技術実力検定試験】
Ⅰ.ME基礎論
  ME機器および関連設備を理解し、適切に運用・保守するために必要な基礎知識
1) 物理・化学
  物理的、化学的現象を理解する能力
2) 医用機械工学
  機械工学的基礎知識で、運動力学、弾性力学、流体力学、制御工学等
3) 医用電気電子工学
  電気・電子工学的基礎知識で、電気・電子回路、電気計測、センサ、
電気エネルギー等
4) 医用情報通信工学
  医療従事者とコンピュータ技術者とのインターフェイスを果たすのに必要な
基礎知識で、通信工学、画像工学、ディジタル技術、プログラミング技術等
5) 信頼性・安全工学
  ME機器および関連設備の安全性管理、信頼性管理に必要な基礎知識で、信頼性
原理、管理工学、精度管理、統計学
6) 生体物性
  生体の機能、構造を理解する上で必要な生体物性の基礎知識で、生体に対する
安全の知識を含む。
7) 医用材料
  医用材料を理解する上で必要な基礎知識で、各種材料、生体反応(毒性、適合性)、
安全性試験、滅菌法等
Ⅱ.ME機器論
  ME機器および関連設備の保守管理のために必要な知識と技術
1)機器運用・関連法規
  病院の管理、医療経済、医療関係の法律、ME機器の安全等
2)病院設備
  電気設備、医療ガス設備等の原理、構造、個別規格、保守点検技術、
トラブル処理
3)ME機器に関する共通問題
  計測用・診断用機器、治療用機器の原理、構造、個別規格、保守点検技術、
トラブル処理
4)ME機器に関する選択問題
  呼吸関連機器、循環関連機器、代謝関連機器、その他関連機器の原理、構造、
個別規格、保守点検技術、トラブル処理
5)小論文
  第1種ME技術実力検定試験合格者に必要な資質に関連する小問について
論文形式で出題。

資格の受験日

9月